ご 挨 拶

 電気化学会九州支部
平成27年度支部長

岡田 重人
(九州大学先導物質化学研究所)
 
 

 福島原発事故により、国策だった原発依存度拡大による炭酸ガス排出量削減の国際公約(鳩山由紀夫・元首相2009年国連演説「2020年の温室効果ガス排出量を1990年比25%削減」)達成のシナリオが大きく揺らぎ、我が国のエネルギーセキュリティの根幹、エネルギー基本計画が大きな見直しを迫られることとなりました。化石燃料も使用済み核燃料最終処分場も持たない我が国は、切り札となるエネルギー源のないまま、エネルギーベストミックスを模索する自転車操業を続けざるを得ない状況の中、2011年には30年以上にわたり黒字続きだった貿易収支が赤字に転落する事態となり、エネルギー源獲得の原資となる外貨獲得のため電子立国から蓄電立国への産業構造の脱皮も喫緊の課題となっています。電気化学会は古くから日本がお家芸としてきた電解工業から電子材料、センサーからバイオに至るまで、幅広い応用実用分野が因って立つ確固不動の学術基盤を与え、その発展を下支えしてきました。特に昨今では蓄電池や燃料電池など、我が国の国益だけでなく、人類存続に関わるエネルギー問題にコミットする学会の1つとして、その今日的重要性もますます高まっています。今後とも産学官多方面の関係者の方々のご支援、ご協力を得て、九州山口地区、ひいては我が国の電気化学の更なる発展の場を提供し、アジアや世界に向けた九州ならではのゲートウエイの役割も積極的に果たしていければと存じます。よろしくお願い申し上げます。

 

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